こんにちは。社会保険労務士の専田です。

前回に引き続き有期契約労働者の無期転換に関する問題を
考えてみたいと思います。

 

実際にいろいろとお悩みの会社から話を伺うと
有期契約労働者の無期転換については、不安やリスクしか
感じないという声を多く聞きます。

変化の激しいこの時代ですから、正社員ですら、
「いつ何があるかわからない…」ことを考えると
有期契約労働者の無期転換対応に不安とリスクを
感じるのはある意味当然かもしれません。

特に経験豊富な労務管理のベテラン層にとっては、
過去の景気変動を思い出すと、組織にとって
雇用形態は柔軟性が高い方が良いと考えるでしょう。

 

しかし、人材採用の観点から考えるとどうでしょうか。
昨今の採用難易度の上昇や人手不足、はたまた将来の
人員構成を考えると人件費単価の上昇が固定化していく事も
「背に腹は…」という状況でもあります。
リスクも感じながら対応せざるを得ないというのが実態
でしょう。

円高不況やバブル崩壊、リーマンショックと
過去に厳しい体験をしてきた人は
怖さの感覚がより強いのではないでしょうか。
(ちなみにリーマンショックの時は、当事務所も廃業の
瀬戸際まで追い詰められました…)

 

こう考えると消極的になるのはある意味当然かも知れませんが、
無期転換の対応は「やってもいい」ではなく「やらねばならない」
であるという事を考えると、「リスク」という捉え方ではなく、
自社の優位性につながる形でいかに「活かす」かを考えるべきだと
思います。

既に人材不足は顕在化している労働集約型の産業になるほど
今後の人手確保の難易度はますます上がっていくのが明らかな
状況ですから、これから先を見据えた対応の成否が組織の
明暗を分けることになります。

 

無期転換の運用が実際に始まるのは概ね2018年(平成30年)
4月以降で2013年(平成25年)の4月以降の契約期間を通算して
5年を超えることになった契約の満了時からです。
(1年超の契約期間としている場合は、2018年前に無期転換の
対応が生じますので、ご注意ください)

ちょっと細かな話になりますが、大体のパターンでは、
2018年の3月末に上記のカウントで満5年に達し、
4月以降の雇用契約更新で「5年超」となり、その契約が満了した
時から労働者本人の希望に基づき無期転換の対象となります。

ですから、実務的に有期契約労働者の無期転換事例が本格化するのは、
2018年10月、または2019年以降と考えられます。

「なんだ、まだ時間があるじゃないか?」と思われる方もいるかも
しれませんが、雇用契約書、就業規則の見直しといった労働条件の
整備だけでも結構な時間がかかります。そして、それは無期転換の
対応にあたり必要最小限度のものです。

やはり、会社の将来を考える上で、実際に無期転換の対象者が出る前に
メンバーのキャリアパスを見直し「今後、こういう方向に進んでいくから
希望者については、より活躍してもらえるよう体制を整備していきます!」
といったメッセージを打ち出す必要があると思うのです。

やる気を引き出す制度に…

やる気を引き出す制度に…

打ち出していく内容は個々の会社によって「理念」や「業種業態」
「業務内容」、「商品サービス」、もっと言えば「あるべき人材像」
など、様々な切り口があると思います。

ですから、こうすればよいという手法論にはなりにくい話ですが、
「どうせ働くならこの会社で!」と社員に感じてもらえる
メッセージを打ち出すことだと思います。

おそらく、現在の状況から考えると経済情勢の分岐点になる可能性
がある「2020年」までに体制整備ができるかどうかが一つの節目に
なるのではないでしょか。

 

バブル崩壊以降の業績評価の導入等や、組織のフラット化や管理職の
プレイングマネージャー化など様々な環境の変化を受け疲弊している
現場が多々ある中、仕事にやりがいを感じ、自ら考え自律的に行動する
メンバーをいかに増やしていくかが今までに増して必要となります。

有期契約労働者の無期転換対応については、外圧的な動機付けだけに
陥らないよう、自社のためにどう活かすか、誰にどんな満足を提供する
のかを追及して行く事で社内から動機付けを強化していく事が重要です。

 

当所では、組織人事といった仕組み作りや、目指す人材像に近づけて
いく為の行動面、特に業務プロセスの具体性を重視した評価制度の構築、
キャリアパスの形成など状況に合わせて様々な支援をしています。

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