こんにちは。社会保険労務士の専田です。

季節も本格的な冬を迎え、寒さばかりでなく、ノロウィルスやインフルエンザと
いった感染症も流行シーズンとなって来ました。

このブログでもノロウィルス、インフルエンザをはじめとする感染症と労務管理
の問題について検討しています。

前回のブログ記事
「ノロウィルスととインフルエンザと自宅待機① 給与の支払は?」では、

イ:社員本人が感染症に罹ってしまい療養のため休業するケース
ロ:社員の同居の家族等が感染症に罹ってしまったが、社員は問題ない。
  ただ、社員が感染していないことを確認するためにしばらく自宅待期
  とするケース(いわゆる濃厚接触者の対応)

…と、これら2つのケースについて、主に療養・自宅待機期間中の給与支払
の必要性について検討しました。

問題となるのは給与だけではありません。給与の支払の前に
「どれくらい休ませればよいのか?」という問題が出てくると思います。

社員本人が罹ったケースと、そうでないケース、ともに休ませる期間は
どの程度の期間が必要なのでしょうか。

また、そうした期間は何を根拠としたらよいのでしょうか。
今回は、感染症に罹った社員等の休業に必要な期間について考えて
みたいと思います。

まず、休業に必要な期間はどの程度の日数となるのでしょうか。
「完治するまで、または感染がないとわかるまで」といって
しまえばそれまでです。

こうした相談を巡り、相談者に「そんな、小学生じゃあるまいし…」
と言われたことがありますが、ヒントはそこにありました。

専田も小学生時分を思い出すとインフルエンザなどに罹ったとき、
「熱が下がってからも2日間は登校しないように」というような
学校からの指示を母親経由で聞いた覚えがあります。

当時はこうした指示を疑問に思うこともありませんでしたが、
調べてみるとこうした指示には、きちんとした法律上の根拠が
あるのです。

「熱が下がっても2日はダメですよ?」

「熱が下がっても2日はダメですよ?」

その法律とは、「学校保健安全法」といい、同法施行規則には、
様々な感染症を重篤度、感染率の高さなどに分けて、出席停止の
日数などを具体的に定めています。(施行規則第18・19条)

また、学校保健安全法以外にも保育所に通う幼児を対象とした
「保育所における感染症対策ガイドライン」(平成21年8月厚生労働省)
といった基準もあります。

例として、学校保健安全法では、インフルエンザ※感染時の出席停止
期間について、
「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日 ( 幼児は三日 ) を経過するまで」
というように具体的に規定しています。

もちろん、個人差などもありますから、絶対とはいえませんが、
会社として何らかの基準を考える際には、参考にできるのでは
ないでしょうか。

前回でも触れましたが、介護サービス、食品製造、販売、飲食店
といった業種では、感染症に対する対策を講じることは社会的責任
でもありますが、それは、社員の労働条件を守るという意味でも
同じことがいえます。

労務トラブル防止の観点から、こうした基準を設けた場合には、
(または設ける際には)社内での丁寧な周知作業が行なっていただき
たいと思います。

特に同居の家族等が感染症に罹ったことによる出勤停止(自粛?)の
ようなグレーゾーンについては、実際に当事者となった社員から、
「そんな話は聞いていない!」
「勝手に決められても困る!」
「えっ?給与って6割しかでないの?」
…といった不満が上がり、トラブルになることが懸念されます。

そんなトラブルを防ぐためにも、事前の周知だけでなく、基準を検討
する時点でも、できるだけ社員の意見も聞いてみてください。

インフルエンザにノロウィルス。
こうした感染症予防の基本は、「手洗い、うがい」ですが、
「出勤停止とかイヤでしょ?だったら皆で徹底しましょう!」
職場でも家庭でも手洗い、うがいの励行が図れたら、危機管理的な
施策と相まって予防策までクリアできるのですから、正に一石二鳥
ではないかと思うのです。

話の進め方と合わせて参考としていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※新型インフルエンザを除きます。

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