こんにちは。社会保険労務士の専田です。

寒暖の差が激しい時期が落ち着いたと思ったら、いきなり冬になった
という感じの今日この頃、皆様、風邪など引かれていませんでしょうか。

この時期の風邪といえば、以前、専田の友人で、この時期に風邪をこじらせて
肺炎になり、入院した者がいます。

なんでも「●週間前から風邪っぽくてさ、ル●ゴールド※の大瓶一本飲んだん
だけど、治らなくてさぁ~」…と病院に行ったら、お医者さんに「キミ、これ
肺炎だよ。すぐに入院ね。」となったようです。病院嫌いも大概に!という
ところで、これは、寒暖の差以前の話ですね… 

ところで、この時期(初冬)になると、企業の人事・労務管理の分野では、
風邪もさることながら、インフルエンザやノロウィルスなどの感染症の問題が
顕在化してきます。

どんな問題かといえば、ズバリ、感染症に罹った社員、またはその疑いのある
社員の処遇をどうするか?というものです。このテーマについては、以前も
検討しましたが、本格的な流行シーズンの前に改めて考えてみたいと思います。

さて、まずは、「どうするか?」ですが、どうするかといっても
前者のように社員本人が感染症に罹っているのであれば、基本的には、
「治るまで会社を休んで、きちんと治しなさい!」という一言に尽きます。

そして、療養のために会社を休む期間については、有給休暇を使って処理したり、
場合によっては、欠勤扱いに、また、ある程度長引けば、健康保険の傷病手当金
などの手続の話が出てきますが、さして難しい話にはならないと思います。

ただ、これは、あくまでも「社員本人が感染症に罹って療養する」場合です。
会社も社員も困ってしまうのは、後者の「社員本人はなんともないが、同居の
家族等が感染症に罹ってしまった場合」ではないでしょうか。

インフルエンザもノロウィルスも正しい認識と治療を行なえば、そんなに怖い
病気ではないでしょう。しかし、業種によっては、少しでも感染している可能性
のある社員に出社されては困るという会社も当然にあります。

困る業種としては、介護サービスの事業所、食品製造・加工、飲食店などは、
その代表例だと思います。

もしも、時折ニュースになるような
「介護施設で入所者がインフルエンザに集団感染!」とか、
「●●食品を介したノロウィルスによる大規模食中毒…」といった話が
自社の社員が原因で発生したということにでもなれば、会社にとっては、
死活問題です。

こうした業種で、感染症のリスク対策を行なうことは、企業としての社会的責任
の問題ともなりますが、同時にそれは、社員に対する対応でも生じるものでも
あります。

せんだ事務所では、東京都福祉保健局の感染症対応力向上プロジェクトに協賛しています!

せんだ事務所では、東京都福祉保健局の感染症対応力向上プロジェクトに協賛しています!

具体的な話として、感染している可能性のある社員に対し、会社として、
「シロと判明するまで自宅待機」とするところまではいいとしても、
その自宅待機期間中の賃金はどうしたらよいかという問題が出てきます。
もちろん、自宅待機期間中も給与は全額支払うことにすれば問題は
ありませんが、なかなかそうはいかないでしょう。

会社からすれば、「働いていないのだから、賃金は支払わない。」という、
ノーワーク・ノーペイの原則に立った考え方もあるかもしれません。
しかし、社員の側からすれば、
「自分は何ともないのに、自宅待機とされた上、給与ゼロ!?」
となるわけですから、理解が得られないどころか、多分、不満爆発です。

また、「社員本人がなんともない」ケースで会社が自宅待機(休業)を
命じる場合、それは、法的に「会社の都合(責任)で休ませるんでしょ?」
と判断され、労働基準法で定められている休業手当(平均賃金の6割)の支払
が必要になるものと考えられます。(労働基準法第26条)

さらに、休業手当の支払は、労働者に対する罰則を伴う最低保障なので、
場合によっては、社員から「私はきちんと働ける状態にあって、会社の
都合で休んだのだから、6割じゃなくて、全額払ってくださいよ?」と
いわれることもあり得ます。
(民法536条 債務者の危険負担と反対給付を受ける権利)

ちょっと話が広がり、ややこしくなってきました。
整理すると、以下のようになります。

①社員本人がインフルエンザ、ノロウィルスなどの感染症に罹ってしまった場合
 「治るまで会社は休み、その間の給与はゼロでも構わない」
 療養中の有給休暇、欠勤といった勤怠処理、傷病手当金などの手続は別の問題

②同居の家族等が感染症に罹ってしまったが、社員本人は何ともない場合
 「家族等の治癒、ないし、社員本人に感染のないことが確認できるまでの間を
  自宅待機とする場合は、少なくとも労働基準法で定める休業手当の問題
  生じる。」

なお、①②ともに会社として、どの程度の期間を休ませたらよいかという問題も
出てくると思いますが、この点については、後編で検討してみたいと
思います。

なお、せんだ社会保険労務士事務所として、東京都福祉保健局の推進する
「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」に参加し、スタッフ全員で
感染症に関する知識と深め、労務管理の分野からも貢献して参ります。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

◆後編
 ノロウィルスとインフルエンザと自宅待機② 治癒・待期の期間は?はこちらから!

※市販の風邪薬の効能についてとやかくいうものでも、そのつもりもありません。
 ル●は私もたまにお世話になっていることを申し添えておきます(笑)

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