こんにちは。管理部支援.comの専田です。

 

早いもので12月も中旬。今年もあと僅かです。
忘年会シーズンも終盤、そろそろ”仕事納め”
見えてきました。(笑)

仕事納めが終われば、お正月に仕事始め、そして
新年会と何かとお酒を飲む機会が多い時期です。

 

忘年会・新年会のシーズンになると散見されるのが、
「会社の忘年会、新年会は業務なのか?」という質問。

「ヤボなこというなよ…」と眉をしかめる人も多いかもしれませんが、
そこは人それぞれ。ただ、たまには職場の人間と親睦を深める
機会があってもいいのではないかと個人的には思います。

 

ところで、この質問と関連してよく聞かれるのが、
「会社主催の忘年会、新年会などの酒席、またはその
帰宅途中でケガをした場合は”労災”になるのか?」
というもの。実は、この二つの質問、密接にリンクしています。

いわゆる”労災”は仕事中のケガである労働災害と通勤途上の
ケガである通勤災害に分けられます。

 

まず、労働災害(業務災害)として認められるには、

・業務遂行性(ケガをしたのが仕事中であるか?)

・業務起因性(ケガの原因と仕事に因果関係があるか?)

…の2点が問われます。

また、通勤災害の”通勤”の場合の定義は、
「労働者が就業に際し、住居等と就業場所との間を合理的な
経路及び方法により移動すること」
とされています。

 

どちらのケースでもポイントとなるのは、業務性。
つまり、「会社主催の忘年会は仕事だった」といえるこが
必要ですが、現実には酒席を巡るケガが労働・通勤災害
として認められるケースは意外に?少数です。

ケガしないようにね…

盛り上がるのはいいけど、ケガしないようにね…

 

何故?と聞くまでもなく、
理由は「お酒を飲むのが仕事なのか?」の一言に尽きます。
会社主催であっても、これに業務遂行性(仕事)と認められるには、
かなり高いハードルがあります。

様々な認定例、判例等を見ると忘年会などの酒席が業務と
認められるには以下のような要素があります。

・参加について明確な業務命令があること

・酒席の目的、業務との関連性

・行われる時間帯と所要時間

・参加中に賃金(残業代等)が支払われていること

・参加費用は会社から支出されていること

 

もちろん、実際には個々の事例を具体的に勘案して判断
されることになりますが、被災した労働者が幹事のように運営を
取り仕切っているなど業務性が高いようなケースは労災として
認められることもあるようです。

 

さて、問題はまだあります。業務遂行性がクリアされてたと
しても業務起因性、つまり「ケガの原因は何か?」という点
です。

一番多いのは、「酔ってけつまづいて転んだ」といような
ケースだと思いますが、これはまず認められません。

またまた、何故?と聞くまでもなく、理由を要約するなら、
「転んでケガをしたのは仕事(忘年会)が原因じゃなくて、
単にあなたが飲み過ぎて
酔っ払っていたからでしょ?」
といった感じです。

忘年会にせよ、新年会にせよアルコールを伴う席が業務として、
さらに、こうした席に関係するケガが労災として認められるための
ハードルはかなり高いといえます。

 

以上、労働災害(仕事中のケガ)を元にまとめましたが、
通勤災害についても理屈は同じです。

ちなみに「2次会」以降となると、参加の任意性も高く、時間帯、
所要時間などから「単なる飲みでしょ?」とされて労働災害、
通勤災害ともにまず、認められることはありません。

”いつの間にやらハシゴ酒”が多い方はくれぐれもご注意ください!
それでは、楽しく、美味しい一杯を!(^_^)ゞ

参考にした事例
・立川労基署長事件(東京地裁 平14.8.21)
・中央労基署長事件(東京高裁 平20.6.25)  他

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