こんにちは。管理部支援.comの専田です。
最初にちょっとお知らせです。

このたび、
『小さな会社のソーシャルメディアガイドライン導入マニュアル』
という電子書籍&ブックレットを(株)インプレスより出しました!
また、これと合わせて8/1(金)に出版記念セミナーを開催します。
セミナーでは、このシミュレーション小説のようなトラブル事例も
ご紹介する予定です。

■セミナーの詳細については、こちらから!
『炎上トラブルに効く! 3ステップ防衛対策』 bit.ly/1Af7pO0 #炎上防衛

さて、所用により更新が滞っていた「シミュレーション小説」、
今回は後編(解決編)となります。

 

◆あらすじ

スポーツクラブA社の新任総務部長の「靖男」はITや
インターネットが苦手だったが、若い部下の勧めにより
ネットの勉強を兼ねてソーシャルメディアをはじめた。
その中でも実名制のコミュニケーションが特徴の
Facebookに、靖男はのめり込む。

最初は部下と共通の話題が持て、コミュニケーションの
促進にも一役買っていたが、次第にソーシャルメディア上で
公私混同とも取れる言動が目立つようになり、一部の社員と
トラブルになっていた。

さらに情報発信自体にはまり込んでいる様子の靖男は、
デリケートな政治問題を巡るネット上の議論に、自らの
素性に「配慮」することもなく積極的に関わり始めて
いたが、それは、一歩間違えば「炎上」しかねない
非常に危ういものだった。

「これ以上放置しておくと会社を巻き込んだ大きな
トラブルになりかねない」
周囲の相談を受け、靖男のソーシャルメディアに
危機感を強めた人事課長の太郎はついに動き出す。

(前編・中編はページ下部のリンクからご覧いただけます)

 

◆根回し

「…ありがとうございます。改めてご報告致します。」
太郎は静かに受話器を置いた。
「靖男部長は午後には社に戻るんだよね?」
社長との会話の様子を心配そうに見つめていた部下の花子に
太郎が尋ねる。
「ええ、2時にはお戻りになるそうです。会議室に予定を入れて
おきますね。」
「頼むよ。できれば、小さい方がいいな。」
「わかりました。」

花子に会議室の予約を頼んだ太郎は、パソコンの画面に映し
出された靖男の予定表をぼんやりと眺めながら、靖男をどう
諭そうかを考えていた。

「あの資料使えないかな…」
太郎は以前受けたセミナーのことを思い出すと、デスクの
引き出しをあさり始めた。

 

◆ソーシャルメディアハラスメント・セルフチェック票

小会議室には、一人靖男の帰りを待つ太郎の姿があった。
どうも帰社の予定が遅れているらしい。

しばらくすると靖男が汗を拭きながら会議室に入って
来た。帰社して会議室に直行したようだった。

「やぁ、待たせて悪かったね。打ち合わせが長引いて
しまってね。」
「いえいえ、お忙しいところ申し訳ありません。」
「うん、ところで相談ってなんだろう。」
「最近、若手社員との関係で何か変わったことは
ありませんか?」
「…いや、特にないが、ソーシャルメディアなんかで
コミュニケーションも取れていると思うよ。」
「今日のお話はそのソーシャルメディアについてなんです。
…このアンケート用紙をご覧いただけますか。」
太郎は「セルフチェック票」と書かれた用紙を靖男に
手渡した。

「どれどれ…」靖男は用紙に目を落とした。

セルフチェック票では、ソーシャルメディアの利用状況に
関する簡単な質問から始まってるが徐々にトラブルを臭わす
ような内容となっていた。


Facebookなどのサービスで職場の人間に対して行う「友達申請
(「親しい間柄になろう」という申し出」について、あなたの
考えに最も近いものを選んでください。

①「友達申請」は承認されて当然だと思う
②職場の人間からの「友達申請」を受け入れないのは非礼だと思う
③職場の人間と必ずしも「友達」の間柄になる必要はない
④プライベートのことなので、よほど親しい関係にない限り
「友達申請」はしない方がよい
⑤断られるかもしれないが、一応、「友達申請」をしてみるべき

あなたは、自分の投稿に対し、Facebookなどで友達などの間柄に
ある職場の人間から「いいね!(簡易にできる好意的評価)」や
好意的なコメントがつかないと腹立たしく感じたり、不安に思う
ことがありますか?最も近いものにチェックを入れてください。

①公私ともに付き合いがあるのだから、好意的な反応がないのは、
非礼で腹立たしい
②自分が嫌われているのではないかと不安になってしまう

 

◆諫める

「…一体何だね?これは?」
靖男はその表情に怒りをにじませ、チェック票を太郎が
座るテーブルの元へ投げ返した。

「キミにそんなこと言われる覚えはないぞ!!」

「キミにそんなこと言われる覚えはないぞ!!」

「何か思い当たるところがあったのではないですか?」
「ふざけるな!キミにそんなことを言われる覚えはないぞ!
私は忙しいんだ!失礼するよ。」
「お待ちください。話はまだ終わっていません。この件は
社長も大変心配されているんですよ?」
憮然として会議室を出ようとする靖男を太郎は制した。
「社長に何の関係があるんだ。仕事と関係ないだろう?」
「いえ、現に業務に影響も出ているじゃないですか。」
「何のことだ?」
「賢一主任と何かあったと聞いていますよ。Facebook絡みで。」
「それは…」
「そう、それだけじゃありません。」
太郎は、部下の八郎と花子から報告を受けていた社内の
靖男のソーシャルメディアに対する苦情について、静かに
説明を始める。

太郎は、靖男が社員とコミュニケーションを取ろうとする
考えに理解を示しつつも、公私の境が曖昧になりがちな
ソーシャルメディアの落とし穴、世界中の見知らぬ人に
対する情報発信のあり方や、その危うさについて時間を
かけて話続けた。

 

◆素直に聞けない…

「わかってはいるけど、素直に聞けない…ってところかな」
静かに話を聞いてはいるものの、憮然とした表情を崩さない
靖男を見て太郎は感じた。

「部長、なぜ、私がこんな話をするかわかりますか。」
靖男は無言で首をかしげてみせた。
「部長が悪いような話ばかりしましたけど、皆、部長のことが
必要なんですよ。心配でもあるんです。」

和らぐ靖男の表情を見た太郎は続ける。
「…それは私も同じです。」

「わかったよ太郎君。ソーシャルメディアは止めるとしよう。」
「いやいや、そういうことではないんです。」
「じゃあ、何だね。」
「社員との関係でいえば、無理にコミュニケーションを
取ろうとしなければ、いいだけの話です。」
靖男は”よくわからない”という表情を見せる。
「ちょっと難しいところですが、適度な距離感を保つ
「つかず離れず」の関係といった感じでしょうか。」
「なるほどね。「つかず離れず」か。ちょっとよくわからない
ところもあるけどキミの話を踏まえて、よく考えてみるよ。
また、改めて相談させてくれないか。」
「ありがとうございます。遠慮なく仰ってください。」
太郎は靖男の差し出した手をしっかりと握りしめた。

「靖男部長なら大丈夫だろう」ソーシャルメディア絡みの
話になると頑なだったが、話を終えて独善さの消えた靖男
を見た太郎は会議室から靖男を送り出しながらそう感じる
のであった。

窓から外の様子を見るとなんだか薄暗い。
「おっ、もうこんな時間か。」
太郎は会議室の扉を閉めると部署へと急いだ。 ~終~

 

いかがでしたか。
ソーシャルメディアの急速な普及と合わせて、この”小説”のような
トラブルも実際に散見されています。

「会社を巻き込むソーシャルメディアトラブル」は何も社員の
非常識な投稿によるものだけではありません。
企業で定めるガイドラインやポリシーの類いもこうしたトラブル、
『ソーシャルメディアハラスメント』を想定したものとする必要が
あります。

記事の中に登場した、
『ソーシャルメディアハラスメント・セルフチェック票』は
本サイトの『資料庫』からご覧いただけます。
参考としていただければ幸いです。

シミュレーション小説「会社を巻き込むSNSトラブル Ⅱ」
◆前編はこちらから!
◆中編はこちらから!

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