こんにちは。管理部支援.comの専田です。

 

これまで、こちらでは、社員のプライベートの
ソーシャルメディアへの情報発信を原因とする
「会社を巻き込むSNS炎上トラブル」について
いろいろと検討してきました。

こうしたトラブル、企業においてはアルバイト
などの若い社員が起すものと見られがちですが、
必ずしもそうではありません。

 

企業で生じるトラブルの中には、当然分別がついて
いるはずの管理職が起しているようなものも、実際に
散見されます。

さすがに2013年夏に続発した「バイトテロ」のような
悪ふざけ写真投稿や犯罪自慢などの非常識投稿の
例は少数ですが「会社を巻き込むSNSトラブルは、
若年者のみ」と考えていると、思わぬ落とし穴がある
かもしれません。

 

今回は、以前検討した、
『シミュレーション小説?「会社を巻き込むSNSトラブル」』
の続編として、企業の管理職が引き起こすトラブルについて
見てみたいと思います。

なお、最初にお断りしておきますが、これはフィクション
であり、登場する人物や企業は全て架空のものです。
また、特定層にある方を非難、中傷する意図は全く
ありません。

 

・部長交代

 

「太郎(仮名)」の勤務するスポーツクラブA社は
首都圏でターミナル駅を中心に複数の店舗を構える、
スポーツクラブとしては関東でも中堅どころの会社だ。

以前、店舗勤務の社員が引き起こしたソーシャルメディアの
炎上トラブルにより会社はダメージを受けたが、何とかそれも
乗り切り、太郎も今や人事課長となっていた。

 

そのA社では、社長の片腕として、会社を切り盛りする
総務部長が健康上の理由で退職することになり、代わりに
社長の遠縁にあたる「靖男」が総務部長に就任することに
なった。

「靖男」は59歳、性格は実直。地方銀行の総務部門で
長年を過ごした経歴を社長に買われての就任だった。

靖男は第二の人生を歩むことになったA社に早く馴染もうと
していたが、会社も社員も若く、何よりも長年勤めた銀行
とは全くの畑違いの業務に悪戦苦闘していた。

 

特にA社のWebサイトやインターネットを使ったサービス予約
システム、広報・宣伝に使う公式Twitter、Facebookなどは
チンプンカンプン。

Facebookをリアルの「本」と勘違いして、
「(本屋の)どのコーナーにあるんだ?」などと質問し、
若い部下から失笑を買う始末。宣伝プランの上申を受け
ても全く話についていけなかった。靖男は日増しに
焦燥感を募らせていった。

そんな靖男を見て、部下の若い社員が言った。
「部長、「習うより慣れろ」ですよ。ご自身でもソーシャル
メディアを使ってみたらいかがですか?面白いですよ?」

「面倒だなぁ」、内心そう思いながらも、ITの話題に
全くついて行けず、たまらなく居心地の悪さを感じていた
靖男はその夜、自宅で部下に教えられた手順に従って
Facebookのアカウント登録を行った。

 

・ソーシャルメディアにハマる

 

「部長、馴染んできたみたいだね。」
「ソーシャルメディアを始めたみたいで、その話で若手と
共通の話題ができて打ち解けてきたみたいだよ。」

太郎は同僚と昼食を取りながら、新しい総務部長「靖男」の
近況について、雑談混じりに話合っていた。

太郎は、業務の違いに戸惑い、決して表には出さないが、
顔色のすぐれない靖男を心配していた。

 

A社では総務部は企業のバックオフィス部門を取り仕切る
重要な部署。社内では、その責任者である靖男の一日も早い
「指揮官」化を望む空気があったが、そのためには、まず、
会社に馴染んでもらわなければならない。特に人事を統括する
太郎にとって、その思いは切実だった。

しかし、当初の不安をよそに靖男の総務部長就任から3ヶ月を
過ぎた当たりから、その表情も徐々に明るくなってきた。
若い社員との会話も増え、会社に馴染みはじめた靖男を
見て太郎は素直に喜んだ。

ヤバい!友達申請される…?

ヤバい!友達申請される…?

 

そんなある日、部内で行われた会議の席上、議事が一段落
ついたところで太郎は靖男に声をかけられた。
「太郎君。キミはFacebookやっていないのかね?」

「えっ、アカウントは持っていますが、あまりやって
いないですねぇ。どうされました?」

「それは、いけないな。もっとも私も最近までサッパリだった
のだけど、いろいろ勉強になるから、改めて一緒にやろう。
後で「友達申請」しておくから。」

目を輝かせ、たたみかけるような口調の靖男を前に太郎は、
「わかりました。後で確認しておきますね!」
と答えるしかなかった。太郎はゴルフを始めたきっかけを
思い出していた。

「そういえば、昔、ゴルフもこんな感じでやらされたのが
きっかけだったっけ。」

 

そう考え、「ちょっと付き合うか」と軽く考えたものの、
本音では、プライベートで使うFacebookで上司とつながる
ことに違和感がないわけではなかった。また、それ以上に
言いようのない悪い予感に襲われていた。

「若い社員ともなじめてきて嬉しいのだろう。」
とあえて深く考えることをしなかったが、太郎の悪い予感は
図らずも的中することになる。そして、太郎は再び会社を
巻き込むSNSトラブルの渦中に身を投ずることになるので
あった。

【中編に続く】

 

前回(前作?)の
『シミュレーション小説?「会社を巻き込むSNSトラブル」』はこちらから!

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