こんにちは。管理部支援.comの専田です。

現役世代に馴染みの深い公的保険のうち、
社会保険といえば、真っ先に挙げられるのが、
「健康保険」、労働保険といえば「労災保険」
だと思います。

しかし、この労災保険、働く人にとって身近で
ありながら、いろいろと誤解が多いのも事実です。
今回はこれまで受けた相談を元に労災保険に
まつわる誤解について考えてみたいと思います。

 

誤解その1
「労災かどうかを決めるのは会社?」

たまに
「会社が労災って認めてくれないんだよね」
という社員(労働者サイド)の話を聞くことが
あります。

早速ですが、大きな誤解です。
ある事故・疾病について、労災に該当するか
どうかを決めるのは、社長ではなく、所轄の
労働基準監督署長です。

おそらく、労災の手続については、会社側が
まとめて対応することが多いのでこのように
誤解されているものと思います。

 

誤解その2
「請求手続は会社の義務?」

労災保険の請求を行うのは、労働者本人で
あるのが原則です。(死亡事故では遺族)
これも会社で請求手続の対応することが多い
ことから来ていると思います。

何も言わなくても会社が手続をするのは、
「労災を請求しないはずはないし、困る
だろうから言われる前にやっておこう」
と気を回してくれているだけです。

会社が負っているのは、事故が発生した
という事実に関する証明義務と労働者
から手続の手助けを求められた場合の
協力義務です。

請求を行うのは、あくまでも被災労働者本人
であり、手続自体は、会社はその代行をして
いるのに過ぎないのです。

 

誤解その3
「ぎっくり腰」は労災にならない?

結論からいうと、労災として認められるのは、
かなり難しいといえます。

理由は、ぎっくり腰は、
「日常動作の上でも生じるものだから」
です。

ぎっくり腰は、ちょっと腰をかがめてとか、
床に落ちた物を拾おうとして…などいろいろな
状況で発症しますが、それらは別に仕事中で
なくとも起こり得ます。

労災保険の対象として補償を受けるためには、
ただ、業務中であったというだけではなく、
ぎっくり腰と業務との因果関係が認められる
必要があるのです。

詳しくは、以前検討した当ブログ記事
「ぎっくり腰は労災にならない」
ご覧ください。

労災申請は正しく行いましょう!

労災申請は正しく行いましょう!

 

誤解その4
「健康保険しか入っていない」と言われた?

労働者の方からの相談で希に

「仕事中にケガをしたら「ウチは労災保険に
入っていないから保険証(健康保険)使って
病院に行くように」言われた」

という話を聞くことがあります。

結論から言えば、これはあり得ません。
労災保険は強制加入です。

「雇ったら入る」が原則で法人も個人事業の
区別もなく、僅かに個人経営の農林水産業で
例外が認められているに過ぎません。

また、労災としての事故扱いを嫌う会社などから
健康保険を使って治療を受けるよう指示を受けた
という話も聞きますが、これも違法です。

ちなみに会社が労災申請を渋る理由としては…
・労災申請で保険料が上がるから
(必ず上がるわけではありません)

・監督署の調査が入るから
・手続がよくわからない、めんどくさい
・労災保険料を過少申告または滞納している

…といったところでしょうか。

実務的な体感値としては、「めんどくさい」
が結構多いように感じます。

次に
「労災申請=労働基準監督署の立ち入り調査」
という理解もちょっと違うように思います。

死亡事故などの重大事故なら別ですが、
ちょっとしたケガ程度で即「立ち入り調査」と
いう話は、聞いたことがありません。
(その会社で労災が続いていたりすれば別です)

しかし、希に監督署との関わり合いを可能な限り
避けたい、不正が臭う「切実な後ろめたさ」から
労災申請を渋るケースも実際にあったりします。

他にもいろいろとありますが、今回はここまでに
したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました
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