こんにちは。管理部支援.comの専田です。

 

朝晩はだいぶ涼しくなり、日一日と秋らしく
なってきました。

今年の夏を振り返ると、猛烈な暑さにバテながら、
“会社を巻き込むSNSの炎上トラブル”の対応に
奔走したことを思い出します。
(今も続いていますが…)

 

主にアルバイト社員がソーシャルメディアに
店舗や商品を使った“悪ふざけ写真”を投稿する
ことによって生じる“炎上”と呼ばれる激しい非難と
バッシング。

これに企業がアルバイトに対する管理の甘さも相まって、
管理責任を問われる形で巻き込まれる事例が本当に
うんざりするほど多発しています。

深刻な事例では店舗の閉店など経営にも大きな影響を
与える事例も続出し、一部では“バイトテロ”とまで呼ばれる
ようになってしまいました。

 

「また、クレームの電話… これで何本目かしら…」

「また、クレームの電話… これで何本目かしら…」

 

もちろん、投稿したアルバイトの側もタダでは
済みません。

懲戒解雇、損害賠償といったアルバイト先との
関係だけでなく、制裁とばかりに投稿者の個人
情報がネット上でさらされる、通学する学校から
処分されるなど、アルバイトの側も深刻なダメージ
を受けています。

投稿した側も決して無傷では済まない、こうした
炎上トラブルの多発を受け、投稿する側の意識に
変化はあったかというと、そうでもないようです。

 

先日、とある専門紙が、「バカッター」の特集として、
続発する“悪ふざけ写真”投稿に関する意識調査を
学生に対して行った結果は驚愕すべきものでした。

調査では、悪ふざけ写真について、回答者の大半が
「あってはならないこと」と回答した一方で、残り
約1割は「面白い・騒ぐほどの問題ではない」と、
容認する姿勢を見せています。

 

“会社を巻き込む炎上トラブル”を容認する
この“1割のグループ”、一体どのように考える
べきでしょうか。

いろいろな考えがあると思いますが、企業にして
みれば、とんでもないハイリスクグループである
ことだけは間違いありません。

そして、企業がたとえどのような対策を取った
としてもこうしたバイトテロを完全に防ぐことは
おそらくムリでしょう。

 

「言って聞かせても指示を聞かない、守らない、
理解できない」ということであれば、最終的には
会社から去ってもらわなくてはなりません。

しかし、そのためには、
「きちんと言って聞かせて、説明も注意もした」
といえることが必要です。

こちらで機会のあるたびに紹介している、
「発信してよいこと、悪いこと」を明らかにする
ソーシャルメディアに関するポリシー、ガイドライン
などの名称で呼ばれるルールはそのためにも各企業で
必要なものなのです。

 

また、ソーシャルメディアの利用に関するポリシー、
ガイドラインだけでなく、“悪ふざけ写真”そのものが
撮影できない、または、撮影しづらい環境作りも
考える
必要があります。

一例として、次のような規定を就業規則や諸規則との
バランス、そして企業や職場の特性を考えて盛り込む
ことが必要です。

 

・就業時間中の携帯電話、スマートフォンをはじめと
 する情報端末の私的利用を禁止する規定
 (就業時間中の家族などからの緊急連絡は職場の代表
 番号に統一する)

・私物の職場持込の制限、就業時間中の私物管理、
 携行を制限に関する規定

・職場に於ける、私的な録音、録画、撮影等を禁止
 する規定

 

もし、あなたの会社にこうした規定がなければ、是非、検討して
みてください。

 

次に実効性を持たせるための方法です。
ポリシーや各種規定に違反した場合のペナルティに
ついて考える必要があります。

正社員であれば、職を失わせる懲戒解雇処分が最も
重いペナルティとして抑止効果も期待できますが、
トラブルが多発する層である学生アルバイトには、
“懲戒解雇”の効果は望み薄です。

理由は前回述べたとおり、学生アルバイトの大半は
親に扶養されており、アルバイトの職を失っても
すぐに生活に困ることがないからです。
(前回の記事はこちらから!)

 

では、抑止力のあるペナルティとは何でしょうか。
もちろん、やたらと重罰を科すようなものではなく、
違反の程度と内容とのバランスも求められます。

それにポリシー違反や炎上トラブルの原因となる
悪ふざけ写真の撮影を封じ込めるためには、
軽微な違反の段階でこまめに指導を行い
必要に応じてペナルティを科す必要があります。

そうなると、解雇のような重罰よりも軽いペナルティ
である『減給処分』を効果的に運用するべき
思います。

 

「もっと毅然として処分が必要ではないか?」
そんな意見はもっともです。

しかし、アルバイトは思いのほか自由気まま。
解雇されたら次のバイトを探すだけ、出勤停止
となってもその気になれば、別なバイトをする
ことだってできます。

 

私自身の経験だけでなく、様々な話を見聞きして
いると、アルバイトは企業のルールなどには無頓着
ですが、時給の額やバイト代にはかなり敏感です。

そう考えると、ペナルティとして”効く”のは、
やはり、最大のモチベーションである“バイト代”に
ひびく『減給処分』ではないでしょうか。

ヘタな懲戒処分よりも目先のバイト代が目減り
する減給処分の方がよほど抑止効果は望めると
思うのです。

 

もちろん、ペナルティとして行う「減給処分」は
労働基準法による制限※を受けますから、
きちんと
した手続の下で行う必要があります。
この点は十分な注意が必要です。

 

まとめると、次のようになります。

・ソーシャルメディアポリシーをはじめとする規定の
 整備

・ソーシャルメディアの適正な利用、インターネットリテラシーに
 関する教育 

・ポリシーや問題写真の撮影、また、それにつながり
 そうな違反に対し、こまめにペナルティを適用する

今のところ、ソーシャルメディアに関する教育や規定の整備と
運用によりトラブルの芽をつぶさに摘んでいく、これ以外に
効果的な方法というものはないように思うのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

※労働基準法では、「減給処分」について、次のように
定められています。(第91条)
「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める
場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の
一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における
賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」

この点については、機会を改めて検討してみたいと思います。
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