こんにちは。管理部支援.com の専田です。

 

前々回から「アルバイトと就労可能な年齢制限」
テーマに検討していますが、労働基準法上の規定を
はじめ、様々な質問やご相談をいただきました。

中でも、「雇ったアルバイトで年齢詐称が疑われる
者がいるが、どうしたらよいか?」という相談は会社
としては切実だと思います。

そこで今回は、会社が18歳未満の労働者を雇い入れる
場合に負うとされる年齢確認義務について考えてみたい
と思います。

 

まず、アルバイト求職者を魅了する「高給バイト」は、
危険、有害、福祉・教育上よろしくないなどの理由で
労働基準法により職種と年齢による制限が罰則付き
課せられていることは、前回までに見たとおりです。

そして、こうした制限は概ね、年少者(18歳未満)
対象に課せられ、児童(15歳未満で中学校卒業前)
は原則として労働すること自体が禁止
されています。

 

児童(中学生)の就労は原則禁止です

児童(中学生)の就労は原則禁止です

会社・アルバイトともにこうした制限を知りながら
違法に就労することは論外ですが、アルバイトの側が
年齢を偽っている場合、会社はどこまで責任を負うの
でしょうか。

さらに、会社として年齢を確認する義務というのは
どこまで負うのでしょうか。

 

正社員の採用に際して、住民票などの身分証明資料の提出
を求めることはありますが、夏休み向けの短期アルバイトで
そこまで求める会社もなかなかないと思います。

 

この問題について、行政通達は「18歳未満の者の年齢
確認義務」として、以下のように示しています。
ちょっと長いので、要約します。

・使用者が18歳未満であるか疑わしい者について
  単純にその申告を信用して使用した場合は、法違反の  
  責を免れない。

・しかし、使用者が労働者の年齢を確認するにあたっては
  一般に必要とされる程度の注意義務を尽くせば足り、
  その年齢を必ずしも公文書によって確認する義務はない。

・よって、容貌、体格、能力等から何人が観察しても
   年少者であるという疑念をはさむ余地のない者については、   
  その口頭、作成書類による申告により判断して使用した
しても年齢確認義務を故意に怠ったものとはいえない。

(昭27.2.14基収52号、昭63.3.14基発150号)

 

このように状況にもよりますが、会社としては、きちんと
注意した上であれば、アルバイトの年齢詐称に気づかずに
働かせたとしても直ちに労働基準法違反を問われることは
ありません。

 

では、“年齢詐称”が発覚、本来なら就労ができない児童
などであった場合、会社としては、どのように 対応する
べき
でしょうか。

 

結論からいえば、発覚時までに働いた分の賃金を支払い、
速やかに支払い「自主的に退職」してもらうことがベスト
ではないかと思います。

ただ、事情にもよりますが、年齢詐称により最低年齢を下回って
違法に就労している労働者についても、

「”退職”させる以外に解決方法がない場合は『30日分の
平均賃金を支払い即時解雇させるほかない』」
(昭23.10.18 基収3102号)

とする行政通達のように違法かどうかは別に、実態として就労
している労働者を保護しようとする考え方があることに注意が
必要です。

 

この問題については、労働基準法による年齢や細かな職種による
制限、労働「契約」を巡る民法的な解釈などの要素もあります。

具体的な トラブルについては、(私のような?)専門家に相談
されることを お勧めします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ
にほんブログ村

 

労基や労務問題からマイナンバーやSNS問題まで「こんな事聞いても大丈夫かな?」ちょっとでもそう思ったら、その悩みをお聞かせください。初回相談は無料です。