こんにちは。管理部支援.comの専田です。

 

6月は企業の“株主総会”シーズンです。
この時期に株主総会が集中するのは、3月期決算の会社が
多く、決算日(基準日)から3ヶ月以内に定時株主総会を
開催する必要があるからだそうです。

 

株主には、株主総会で取締役(会社)に対して一定の
議案などを提出する株主提案権が認められています。

昨今、こうした株主の権利を積極的に行使する、
「物言う株主」の増加により、「株主提案」自体は
珍しくなくなりました。

 

しかし、今、とある企業のユニーク?な株主提案が
話題となっています。

すでにネットニュースをはじめ、一部マスコミでも
報じられていますが、こんな提案がなされているそうです。
(一部要約してあります)

 

◎号議案
提案内容:オフィスの便器は全て和式とし、足腰を鍛錬し、
     株価4桁を目指して日々ふんばる旨定款に明記する。

提案理由:貴社は破綻寸前で踏ん張りどき。精神論では破綻は
     免れないが、和式便器で下半身の粘りを強化すれば、
     必ず破綻は回避できる。できなかったら運が悪かった
     と諦めるしかない。

取締役会意見:本議案に反対します。

●号議案 
提案内容:取締役の社内呼称を「クリスタル役」に。
     代表取締役社長は「代表クリスタル役社長」と呼ぶ旨
     定款に定める。

提案理由:取締役という言葉の響きは堅苦しい。また、取締役が
     子会社の業績を取り締まらず、「利益はそれほど出ていません」
     で済ませるのは取締役会ではない。従って呼び方はいい加減な
     もので済ませることにする。

取締役会の意見:本議案に反対します。

 

・・・このほかにも、「ハシズムに同調し、世間に好印象を与え、
たんまり稼ぐために東京・関西電力への融資・投資を禁止すべき」
とか、「会場が狭く、腋臭の株主も多いから万歳三唱は中止に」など、
珍妙な提案が続きます。

株主総会開催通知

株主総会開催通知

この株主提案には、経営陣に対する不満と皮肉が込められて
いるようですが、一つ言えるのは、正規の手続きを経て行われた
提案については、一見して珍妙であろうとなかろうと
適正に
扱わなければならないということです。

こうした株主提案、人事・労務の分野が対象となることは
ないでしょうか?

 

・巨額の未払い残業代の指摘を受けた!(利益も修正)

・ハラスメント事案がこじれて大々的に報道された!

・過重労働による過労死で損害賠償請求をされた!

・過半数労働者の不適切選出により労使協定の効力が否定!

…など、会社の業績を左右しかねない、株主の関心事となる
問題は人事・労務の分野でも決して少なくないと思います。

 

また、不祥事が起きてしまった会社での株主総会は、
株主による会社への断罪の場となります。

経営陣に対し罵詈雑言の批判が浴びせられ、
当然総会は紛糾し、長時間に及ぶ事もあるでしょう。

場合によっては取締役の解任決議などに発展する事態
もあり得ます。こうした点については、人事・労務管理の
分野も例外ではないと思うのです。

 

”最近の問題”で考えると、こちらでもたびたび
検討している「会社を巻き込むSNSトラブルの問題」
も当てはまってくるのではないでしょうか?

これは、社員のプライベートのSNS利用により会社が
トラブルに巻き込まれたり、信用毀損や機密漏洩などの
被害を受けるというものです。

この問題を巡っては、積極的に会社としての考えを示す、
SNSポリシー・ガイドライン」の策定に動く企業がある
一方でSNSトラブルは社会常識、個人の資質の問題」
として静観する企業もあります。

 

会社(組織)を巻き込むSNSトラブルについては、
昨年から続発しており、業種や規模どころか官民の枠を
超えて問題となっており、一部の事案では深刻な風評被害
を企業にもたらし、ネット上で悪評をとどめるに至っています。

ポリシー、ガイドラインなどの形で、SNSの利用について、
会社(組織)として、「発信してよいこと、悪いこと」を示す
必要性については論を待たないと思います。

しかし、それを「社会常識、個人の資質の問題」として
何らの対策を取らないことは義務があるのに何もしなかった
「不作為犯」とも言われかねないと思うのです。

 

ポリシーやガイドラインを制定すれば、完全にSNSトラブル
起こらない、取締役も免責であるとは考えません。

しかし、何もしない「不作為」の責任は株主総会で株主に対し、
説明しきれるものではないと思います。

 

SNSトラブルのあった企業で、冒頭の事例ではないですが、

『取締役はSNSの可能性とリスクに関する知見を
深めるため、全員プライベートでtwitterとFacebookを
積極的に
利用すること。』

『フォロワーを来年までに1万人集めること。』

・・・というような株主提案がされるとは思いませんけれど、
人事労務の分野も、最近のSNSと会社と社員の問題も
株主総会を舞台とする問題となり得るのでは?と思うのです。

前職の警備会社勤務時代に荒れた株主総会の経験と
現在の社会保険労務士としての業務を重ね合わせ、
思い出しながら考えてみました。

人事労務と株主総会で苦慮される方の参考となれば
幸いです。(ならないですかね?)

 

※一部では、
「無視されることを避けるためにエンターテインメントを
意識したものであることは否定しないが、
自己満足の
作文というわけではない」

「会社側の株主提案の取捨選択は、提案者を変人に
仕立てる意図」

という提案株主のコメントも報じられています。

 

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