テレワーク

こんにちは。管理部支援.comの専田です。
前回は、BCP(事業計測計画)、危機管理的な面から在宅勤務制度の意義に
ついて検討してみました。

その在宅勤務制度ですが、日本では、「テレワーク」として、総称されています。
「テレワーク」とは、IT技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な
働き方のことをいい、自宅で仕事を行う「在宅勤務」と外出先や移動中に
仕事をする「モバイル勤務」があります。

研究職、事務職は「在宅勤務」でも可能な業務が、また、外回りの多い
営業職などは「モバイル勤務」の適用ができるのではないでしょうか。

制度自体は、ワークライフ・バランスの普及などによって知名度も上がって
来ているようで、「全く知らない」というかたはいないでしょう。

導入にあたっては、会社の業種による適否もありますし、いろいろな問題も
あるかと思いますが、要は「発想の転換」です。
まずは、「仕事は会社でするもの」という固定観念を疑ってみるべきかと
思います。

私は、「在宅勤務」の検討にあたり、災害対策などのBCP(事業継続計画)の面
からアプローチしていますが、コンプライアンス(法令遵守)という面からも
メリットがあると思うのです。

例えば、障害者雇用促進法では、一定規模の企業に対して、雇用する労働者の
1.8%に相当する数の障害者雇用が義務付けられていますが、この規模(基準)が
改正により、昨年から201人以上、平成27年4月からは、101人以上の企業へと
拡大されます。※1

また、次世代育成支援対策推進法による「事業主行動計画」も今年(H23年)
4月から、101名以上の企業について作成と提出等が義務となります。
この法律は平成27年までの時限立法ですが、今後とも少子高齢化対策として、
より実行力のある施策が取られるのは間違いありません。

このように、働き方の多様性を今のうちから検討し、実行すれば、障害者雇用や
少子化対策に関連する法律などに十分応用できるのではないでしょうか。
他にも、いろいろなメリットがありますが、ここでは割愛します。

次に導入にあたり、どのような問題が考えられるでしょうか。
最大の問題は、「情報セキュリティの安全をどう確保するか」、
「どのように労務管理するか」
ということだと思います。
以下、在宅勤務(モバイル勤務)の問題点を検討してみたいと思います。

1.情報セキュリティの安全確保について
基本的に会社用と在宅勤務用のパソコンを分けて用意し、やましいことが
あろうとなかろうと?自宅の私用パソコンの利用はご法度です。

また、書類やUSBなどによるデータの持運びも好ましくありません。
パソコンについては、シンクライアント、通信関係でいうとVPNや
クラウドコンピューティングなどの技術がありますので、後は仕事の内容と
確保したいセキュリティレベルと相談ということになるでしょう。※2

重要なのは、やはり、セキュリティについても「あらかじめ、ルールを
きちんと定め」て、「ルールの下で勤務制度を運用」
するということです。

2.どのように労務管理をするか
当然のことながら、在宅勤務では「家」、モバイル勤務であれば、「直行・直帰」が
多くなるでしょうから、具体的な「労働時間管理」に代表される労務管理というのは、
難しくなるでしょう。

労働時間管理について、以下の2つに分けて検討してみたいと思います。

(1)通常の労働時間管理
通常の所定労働時間を適用する制度。勤務日報の作成や、始業・終業時刻の
報告を義務付けます。(タイムカードのかわりに「報告」する以外は出社して
仕事をするのと同じです。)

(2)事業場外みなし労働時間制
在宅勤務時の労働時間を算定することが可能である場合は、上記(1)のとおりです
が、算定が困難である場合は、事業場外みなし労働時間制を適用することが
できます。ただし、

①「在宅勤務」が私生活を営む自宅で行われること。
②パソコンなどを利用する場合、会社の指示により常時通信可能な状態である
ことなどの制限がないこと。
③在宅で行う業務が、随時会社の具体的指示に基づいて行われていないこと。

…以上、3つが満たされていれば、所定労働時間または、労使協定で協定された
時間の勤務がなされたとの扱いが可能です。
(事業場外みなし労働時間制:労働基準法38条の2)

なお、「常時通信可能な状態」、「会社の具体的指示」などは一定の制限が
ありますので、詳細はご相談ください。

この他にも、中長期的には労働災害の問題や人事評価制度の問題なども出て
くるでしょう。就業規則等の整備も必要です。
しかし、重要なのは、あらかじめルールをきちんと定めて、そのルールのもとで
運用するということです

「仕事は会社でやるもの」という固定観念を在宅勤務によって払拭した先には
様々な可能性が会社にも社員にも見えてくるものと思います。

なお、後段の「労働時間管理」については、厚生労働省より、「情報通信機器を
活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」
(平20.7.28)として発出されていますので、あわせてご参照ください。

長くなりましたが、お役に立てたなら幸いです。

※1:昨年7月から、週の労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者も
0.5として算定基礎に入れることになっています。

※2:方法はいろいろとあります。また、使い勝手も相当に向上しているので、
後は、運用イメージと予算で相談ということになるでしょうか。

労基や労務問題からマイナンバーやSNS問題まで「こんな事聞いても大丈夫かな?」ちょっとでもそう思ったら、その悩みをお聞かせください。初回相談は無料です。