休業

こんにちは。管理部支援.comの専田です。

前回は、このたびの「東北・関東大震災」による「会社の休業」に
ついて、労基法26条で定める「休業手当」の支払いの要否である、
「使用者の責めに帰すべき事由」について検討しました。

3/15に発出された厚生労働省の通達によると「計画停電による休業は
原則として、休業手当の支払いを要しない。」となっていますが、
停電以外の時間帯については、「総合的に勘案」ということになっている
ので、注意が必要です。

また、仮に行政解釈的・法的に問題がないとしても、社員の生活保障や
今後のモチベーションという意味では問題があるのではないでしょうか。
何だかんだといいながら、結局は「ヒト同士」の信頼関係がないと会社は
成り立たちません。

こんなときだから、会社も社員もお互いに助け合う、理解しあうことが
必要ではないのでしょうか。
もちろん、会社の経営を危うくしてまでの「休業手当」を支払う必要は
ないと考えますが。

さて、今回は、休業手当の支払いに必要な「平均賃金」について検討して
みたいと思います。

「平均賃金」は、労働者の生活保障をするために使用者に支払義務が生じる
「休業手当」や「解雇予告手当」等について、これらの手当の基準となる金額を
明確にし、その計算方法を具体的に定めたものです。

「平均賃金」は、労基法において、以下の5つに係る金額の算定の基礎として
用いられます。
(1)解雇予告手当
(2)休業手当(今回の本題です)
(3)年次有給休暇の賃金
(4)災害補償
(5)減給の制裁の制限額

平均賃金は以下の計算式で求めます。
平均賃金=算定事由の発生した日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額
/ 算定事由の発生した日以前3ヶ月間の総日数

なお、留意すべき点として、
○賃金締切日がある場合は、直前の締切日から起算する。
○雇入後3ヶ月に満たない者は、雇入後の期間とその期間中の賃金の総額で
算定する。(賃金締切日がある場合は、やはり直前の締切日から起算)
○計算結果に「銭未満」の端数が生じた場合は、その端数は切り捨て。
…などがあります。

また、日給、時給、出来高払制などは、不利にならないよう別に計算式があり、
上記の式と比較して高い方の額が平均賃金となります。
(ここでは、割愛します)

次に平均賃金の算定基礎から以下の「期間」と「賃金」は除外されます。
(1)期間中の日数と賃金の両方が算定基礎から除外されるもの
算定に係る3ヶ月間に以下の5つの期間と賃金がある場合は、除外して
計算されます。
①業務上の負傷疾病により療養のために休業した期間
②産前産後の休業期間
③使用者の責めに帰すべき事由により休業した期間
④育児介護による休業期間
⑤試みの試用期間(14日間)

(2)賃金総額の算定基礎から除外されるもの
平均賃金の算定に係る賃金総額から以下の3つは除外して計算します。
①臨時に支払われた賃金
②3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
③通貨以外のもので支払われた賃金で労働協約の定めに基づかないもの

このうち①については、「臨時的、突発的事由に基づき支払われたもの
及び結婚手当等支給条件は予め確定されているが、支給事由の発生が
不確定であり、且つ非常に稀に発生するものをいうこと」
(昭22.9.13 発基17号)

②については、「賞与」などが該当します。なお、賞与についても、
「定期的又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるもの
であって、その支給額があらかじめ確定されていないもの」をいい、「定期的
に支給されかつその支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず」
賞与とはみなされません。(昭22.9.13発基第17号)

…とこのようになっております。
今回の震災による「休業手当」に限らず、「平均賃金」は、何かと確認することが
多いので、改めて取り上げてみました。
参考にしていただければ幸いです。

次回は、特に東京都心部の会社ですでに取られている「自宅待機」、「在宅勤務」に
ついて検討してみたいと思います。

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