こんにちは。管理部支援.com の専田です。

 

前回から、「就職活動とインターンシップ」の問題
について検討しています。

 

前編でも触れましたが、これから就職する学生にとっては、
希望する仕事がどんなものであるのか知りたいと思うのは
当然だと思います。

それも説明会や見学会のレベルではなく、できれば、
実際に「体験してみたい」と考えることもよくわかります。

 

そうした学生側の希望もあり、また、企業側からすれば、
採用ロスを減らせるというメリットもあってか、
インターンシップを実施する企業も参加する学生も
近年増加
してきています。

実際の「仕事」を体験し、学生が自身の志望や適性などを
見極める本来的なインターンシップは私もよいことだと
思います。

 

しかし、こうした学生の思いに付け込むかのように
インターンシップに乗じて「フツーに働かせているのに
まともな給与を払わない」という問題のあるインターン
シップが一部で行われているということもまた事実です。

 

程度の差はあると思いますが、本来的な目的でインターン
シップが行われているのであればまだしも、もっと問題
なのは、昨今の就職難を背景とした「就活のハク付」を
目的として行われる違法なインターンシップ
です。

 

具体的には、

・このインターンシップで鍛えられた学生の就職率は高い!

・ノルマも指導も厳しいけど、いい経験になる

・OJTみたいなものだから、入社したら即戦力!

・実際に働いてもらうけど、インターンシップだから
 お給料を期待してはいけないよ?

…と、なんだか「就活セミナー」みたいなノリですが、実際は
こんな謳い文句で学生を集め、最低賃金以下の賃金で
働かせるというモノです。

 

なんだか「名ばかりインターンシップ」とでも
呼びたくなるような形です。

 

そして、こうした形態が法的には労働基準法の「労働者」と
みなされる可能性が大変強く、労働基準法をはじめとする
法令の規制を
受ける
ということは、前編で述べたとおりです。

 

ここまででも、十分に問題なのですが、さらに問題となる
形態があります。

それは、「インターンシップの紹介・あっせんとも
いうべき形態です。

どういうものか簡略に表すと、こんな感じです。

 

・紹介会社とインターンシップの受け入れを希望するクライアント
企業がインターンシップの募集、あっせん・紹介などの契約を結ぶ
 (この契約、無料ということはないでしょう。)

・この契約に基づき、紹介会社がインターンシップを募集し、
クライアント企業へインターンシップをあっせん・紹介する

…というモノです。

 

この「あっせん・紹介」というところがクセ者です。
インターンシップと紹介会社、クライアント企業の3者の関係が
どのようなものであるか、その「実態」によりますが、
この形態は、場合によっては、クライアント企業に労働力を供給する
「労働者供給事業」とみなされる可能性があるのではないでしょうか?

労働者供給事業は、職業安定法第4条6に定義されるもので、
同事業の原則禁止(第44条)に違反となります。

※労働者供給事業については、こちら
厚生労働省HP  労働者供給事業業務取扱要領

 

また、「賃金」は、どうなるのでしょう?
先の三者間の関係などの「実態」にもよりますが、
中間マージンが差し引かれてインターンに渡されるようであれば、
「中間搾取」と言われかねません。

こちらは、労働基準法第6条で定める「中間搾取の排除」
に該当する可能性があります。

 

さらには、職業紹介事業(職業安定法第4条1項)なのか?
はたまた、労働者派遣の形態なのか?といった、雇用関連法令を
精査しないと判別のつかない、グレーゾーンのオンパレードの
ような感
があるのです。

 

具体的な適法性などの判断は、労働行政機関をはじめと
した専門家のアドバイスも踏まえて行う必要がありますが、
インターンシップを巡るサービスは、実態により、このような
問題に発展する可能性があることを理解していただきたいと
思います。

 

私は、リアルな就業体験により、自らの適性などの
見極めができるインターンシップを否定するつもりは
毛頭ありません。

むしろ、自らの進路を見極めきれず、就職で苦労した
私自身の経験からすれば、「まずは、やってみる」という
実践的インターンシップの機会が豊富な現状はうらやましくも
あります。

 

「職業・仕事」というのは、人それぞれの「生き様」
であり、価値観そのものでもあり、生涯のテーマだと
思います。

新卒時の「就活」でそれがすぐに見つかる人は幸せです。
しかし、そう上手くいく人ばかりではありません。

そんな人達が「体当たり」で生涯を通じた何かを探す、
インターンシップはそんな試行錯誤の場であって欲しいと
思うのです。

 

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