こんにちは。管理部支援.com の専田です。

気がつけば、もう年末です。
12月というと、あなたは何を連想しますか?
ちなみに我々の業界だと、「年末調整」や
「賞与支払届」でしょうか?

年末調整

クリスマス、忘年会、大掃除等々とイベントも
目白押しですが、12月は大学生(3年生)の就職活動が
本格化する月でもあります。

「就活」関連のニュースやサイトを見ていますと、
目につくのが、「インターンシップ」の文字。

 

この「インターンシップ」とは、何なのでしょうか?
私なんかは、お医者さんをはじめとした、医療関係者の
実地研修のイメージを持っていたのですが、最近は結構
一般的に使われているのですね。

辞書を引いてみたらこのようになっていました。

インターンシップ(internship)
・会社などの実習訓練期間。学生が在学中に自分の専攻に
関連する企業に体験入社する制度。体験就業。

 

なるほど。「体験」なのですね。
一般的には、就活学生向けの会社説明会や職場見学会+α的なもの
本格的なものになると学校の教育カリキュラムに組み込まれているもの
というように実際には様々です。

後者については、あまり問題になることはないでしょう。
しかし、前者については、一部で適法性を疑われる事例も散見されるようです。

 

前者について、学生側の考えは…

・会社説明会や見学会などの当たり障りのないものではなく、
実際の仕事を体験して自分に合うかを見極めたい。

・昨今の就職難も相まって、就活上で有利になるような
スキルや経験を身につけたい。

というようなものだと思います。

 

これに対して、会社側は…
「就業体験の機会を学生に提供することで採用ロスを防ぐことが
できる。」
というメリットがあると思います。

しかし、一部のインターンシップでは、これがエスカレートして、
「本人が体験したいと言っているのだから、実際の業務をやってもらおう」
ということになり、

正社員同様の業務に従事させながら、「あくまで就業体験で
「労働」では
ないはないから、別に無給でも問題ない。」
という考えのもとで、

賃金は最低賃金を下回る正に「雀の涙」程度。
ひどいところは、無給だったり、経費も学生負担という
インターンシップもあるというのです。
そして、もちろん社会保険などありません。
(インターン中にケガをしたらどうするのでしょう?)

 

学生と会社。ある意味お互いの利害が一致しているといえる
「違法インターンシップ」ですが、名目はどうあれ、法的には、
個別の実態により判断されることになります。

そして、上記のような事例の場合、ほとんどが労働基準法で
定める「労働者」と
判断されることになると思われ、労基法を
はじめとした関係法令の規制
を受けることになります。

 

この問題を考える上で、次の行政通達が参考になると思いますので、
以下、引用します。(厚生労働省労働基準局通達)

①(平9・9・18 基発636号)
インターンシップにおける学生の労働者性
直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が事業場に帰属し、
かつ、事業場と学生との間に使用従属関係(指揮命令)が認められる場合は、
当該学生は労働者に該当するものと考えられ、また、この判断は、個々の
実態に即して行う必要がある。

 

②(昭57・2・19 基発121号)
商船大学等の実習生の労働者性
詳説は省きますが、この中でも、「現場実習は一般労働者とは明確に区別
された
場所で行われること、生産ラインの中で行われる場合であっても軽度の
補助的作業にとどまり実習生が直接生産活動に従事することはないこと。」と
されています。

 

つまり、インターンシップであろうと、会社と指揮命令関係にあって
会社のために働いているのであれば、それは「労働者」である
ということです。

 

近年、インターンシップに参加する学生の増加と相まって
インターンシップを実施する企業も増えてきています。

学生としては、当たり障りのないインターンシップでは、「物足りなさ」
を感じるでしょうし、企業側としても優秀な人材確保のために他社と
差別化を図れるようなインターン
シップを行いたいところです。

こうした検討の結果として、「実践的インターンシップ」を行うのであれば、
少なくともアルバイトなどの形ででも、きちんと雇用することを考えるべき
だと思うのです。(もちろん賃金は最低賃金法で定められた基準を満たして
いる必要があります。)

 

今回検討した問題は、自社でインターンシップを行う場合の
問題についてです。

ただ、聞くところによると、この学生インターンシップを
募集して他社の依頼に応じて紹介する事例もあるというの
です。これは、最低賃金法だけでなく、いろいろな法令に
抵触する可能性があります。

後編は、この問題について考えてみたいと思います。
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