こんにちは。管理部支援.comの専田です。

 

先日、とある関与先から「捜索願の出し方を教えてほしい」
という相談を受けました。

よくよく聞いてみますと、この会社の社員が行方不明
なっているとのこと。

心配もさることながら、
「どう対応したらよいのかわからない」ので
私のところに相談されたようでした。

 

とある会社のベテラン人事・労務担当者から、
「長いことやっていれば、さして珍しくもないさ」という話を
聞いたことがあります。

「どれくらい長くやれば珍しくなくなるのだろう?」とは
思いましたが、初めてであれば間違いなく面食らうことでしょう。

今回は、こんなとき会社はどう対応すればよいか
を考えてみたいと思います。

 

ドラマなどでもよくあるネタであるせいでしょうか。
「行方不明」と聞けば、対応策として真っ先に思い
浮かぶのが「捜索願」だと思います。

この「捜索願」、警察に出すものであることは誰でも
知っていますが、誰でも出せるものでないことは意外に
知られていないようです。

冒頭の質問の回答ではないですが、
まず、捜索願とはどのようなものかという点について
見てみたいと思います。

 

この「捜索願」、正式には
「行方不明者に係る届出(行方不明者届)」といい、
国家公安委員会の「行方不明者発見活動に関する規則」に
きちんと定義や手続きが定められています。

これを受けて、例えば東京都では、
警視庁行方不明者発見活動規程としてさらに具体的な
内容が定められています。

 

これらの規則では、行方不明にいたる状況により次の2点に
区別して扱いを分けています。

・「行方不明者」:単に行方がわからない者

・「特異行方不明者」:事件や事故に巻き込まれた可能性のある者

後者が状況により、即座に警察の捜査が期待できるのに対し、
前者の場合、実際には職務質問、補導、交通取締などの
警察活動を端緒に保護される程度しか望めません。

ただし、自発的に「行方不明」になったとしても、精神疾患などで
自殺のおそれがある者は「特異行方不明者」となる場合
ありますから注意が必要です。

いずれにせよ、届出時に行方不明となった前後の状況をできるだけ
詳しく警察に説明することが重要になります。

 

次に、先に触れたように「捜索願」は誰でも出せるものではありません。
届出のできる者についても定めあることに注意が必要です。
基本的に届出のできる者は親権者、後見人、配偶者(内縁含む)
などの親族
となっています。

その他、「行方不明者と社会生活において密接な関係を
有する者」として、雇主(事業主)なども先の規則中に挙げ
られています。

しかし、一刻を争う状況を認識していたにも関わらず放置した
というようなことでもない限り、法的、世間一般的に会社が
届出をしなければならない
という義務はないと思います。

さらにいえば、会社が届け出ることは、相応の事情がない限り、
本人との関係や事情がよく説明できなかったり、利害関係を
疑われて受理を渋られたりと、結果として対応が遅くなること
にもなりかねません
ので、可能な限り親族から届出を行うべきです。

 

事態の進展にもよりますが、このような場合、親族としては早く
知らせてほしいと考えるのが普通でしょうから、事後の対応も
考えて、速やかに親族に連絡し、対応を引き継いでもらい
ましょう。

 

次に届出窓口ですが、原則として、行方不明となった場所
または、行方不明者の住所(居所)を管轄する警察署となります。

その他、届出時には、届出者の印鑑や行方不明者の写真
などの資料や手がかりが必要となりますので、詳細は最寄りの
警察署でご相談ください。

 

また、八方手を尽くして、消防署や病院、ホテル、公共交通機関
などに聞いて回る、つまり「自分で探す」方法もあると思います。
しかし、プライバシー
保護などを理由に回答や協力を拒否される
ケースが大半ですので、「捜索方法」としては、やはり警察に
対する「行方不明届」が基本です。

 

以上、人事労務の分野からだいぶ脱線したような感じがしますが、
覚えておいていただいても損はないかと思います。
次回以降は、会社としての対応を検討していきたいと思います。

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